ひがしんの創業支援事業

経済産業省/産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画 認定

卒業生のご紹介

ひがしん創業塾(墨田第4期)卒業生季節の果物と平飼い卵の焼菓子店 torinos

店主/パティシエ 末弘 麻里子 様

自分のお店を持つことが10代の頃からの夢でした

ひがしん

はじめに、創業を目指したきっかけについてお聞かせください。

末弘さん

昔からお菓子作りが趣味で「いつか自分のお店を持ちたい」と10代の頃から考えていました。
大学卒業後は、飲食とは別の業界で働いていたのですが夢を追いかけるために退職し、製菓を学ぶための専門学校に通いました。

ひがしん

創業されるまでは、どれくらいの期間ご準備されたのでしょうか。

末弘さん
こだわりの食材で作った焼菓子

専門学校卒業後は、製菓に関する仕事をいくつか経験させてもらいました。「独立するぞ!」という感じで動いて、実質3年半くらいです。準備期間は結構長かったですね。店舗もなかなか決まらなく、かなり苦労し半年以上は探しました。今の物件は、知り合いの紹介で大家さんとのご縁をいただき出会えたものです。

また、物件探しと並行しながら、墨田区役所さんの紹介で“ひがしん創業塾”も受講しました。

歴史ある建物や下町のコミュニティに魅せられて

ひがしん

torinosさんの店舗もそうですが、ここ京島地区は長屋や古民家といった歴史を感じる建物がたくさん残っています。
今、若い人を中心に注目されていますよね。

末弘さん

そうですね、お客様は20代30代の方が多いです。もちろん、それ以上の方もたくさんいらっしゃいます。またコロナ禍前は、2階のゲストハウスに泊まりに来る方も多く、特に海外からのお客様もかなりいらっしゃいました。

ひがしん

地域の皆さんでイベントを開催されていると伺いました。

末弘さん
長屋をリノベーションした店舗

コロナ禍前は、音楽イベントやアートイベントなどを開催していました。今も仲間と協力して、出来ることはやっています。昔からの建物が多く残っているこの地域は、住民同士が顔を合わせやすく、知り合いになりやすい環境です。店舗を借りるときも、特に「長屋だから」という抵抗はありませんでした。

この周辺の仲間は、私もそうですが、ここ京島エリアに魅力を感じ、千葉や埼玉など外から入ってくる人間も多いです。また、実は仲間の中で2名、今期の“ひがしん創業塾”を受講していましたよ。

ひがしん

ご友人が2名受講されていたことは知りませんでした!とても嬉しいです。

末弘さん

近所のお店やカフェが接点となることが多いです。知り合いのお店に行くと、そこにたまたまいた別のお客様と話が盛り上がって友人になる、そういった繋がりで仲間がかなり広がりました。

売上が良い時があれば、悪い時も絶対にあるはずです。一人で開業すると、どうしても精神的に追い詰められると思います。そういった時に一人で暗くなってしまわないように、地域でカフェ仲間がいて何かあったらすぐ会いにいけるこの環境も「墨田区で開業したい」と思った大きな決め手となっています。

鳥が大好きだから “torinos(トリノス)”

ひがしん
鳥の巣をイメージしたロゴデザイン

torinos(トリノス)というネーミングの由来を教えていただけますか。

末弘さん

鳥がすごく好きなので“鳥の巣”が由来になっています。4文字で読みやすく覚えやすく、語呂も響きも良いと思いこの名前にしました。

また、うちのお店はペット同伴でご利用いただけます。近所に動物病院さんがあるので、待ち時間や帰りなどに寄っていただけるお客様もいらっしゃいます。

ひがしん

温もりとどこか懐かしさを感じさせる、とても雰囲気が素敵な店舗ですよね。
「こういうお店にしたい」というイメージは、最初からお持ちだったのでしょうか。

末弘さん

ありがとうございます。建物との出会いありきではあったのですが、古いものが好きなので、“古民家的な雰囲気のお店にしたい”というイメージは最初からありました。導かれるように今の物件に出会うことが出来、タイミングが良かったと思っています。

ひがしん
営業日を入口の扉でお知らせ

看板や入口の扉のご案内なども、ご自身で描かれているのですか。

末弘さん

はい、自分で描いています。その他にも、キッチンの中の壁紙やタイル貼りなども自分でおこないました。好きに内装をいじれるというのも、長屋の魅力だと思います。

一人だからこそ、すぐに行動に移せる

ひがしん

創業されてから現在まで、ご苦労されたことなどをお聞かせください。

末弘さん
通信販売した焼菓子の詰合せ

やはり新型コロナウイルス感染症でしょうか。緊急事態宣言中など、店舗を休業せざるを得ない時期もあり、休業中は通信販売のみおこなっていました。(インタビュー時期:2022年3月)

うちはスタッフを雇わずに一人でやっているのですが、自分で考えてすぐに行動に移せることが、ピンチを乗り切るきっかけになっていたと思います。組織だと“まず上司に相談して、更にその上に相談して、OKが出たらやっと取り掛かる”みたいな形だと思いますが、うちは私一人なので「明日から通販をやろう!」と思ったらすぐに始められますし、一人なので本当に小回りが利きます。

創業塾を受講して

ひがしん

“ひがしん創業塾”を受講されて良かった点などございますか。

末弘さん

“ペルソナ”の講義ですね。

サービスを利用していただく、“理想の顧客の人物像”をイメージする課題です。年齢や職業、家族構成、どこに住んでいて、どういう休日を過ごしているか…などを詳細に書き出すことで、自分のお店をイメージすることにもかなり役立ち、有難かったです。

ひがしん

創業塾を受講された皆さんに伺うと「財務の講義が難しかった」というお声が多いのですが、財務面はいかがでしょうか。

末弘さん

今のところはそんなに難しいことはないです。ただ、ここの2階のゲストハウスのオーナーのご実家が会計事務所でいらっしゃるので、ご家族の方によく相談をさせていただいています。

また、創業に踏み切る前の10代の頃から本を読んで勉強をしていました。本屋さんに行くと、何冊かは“カフェを始める本”があるので買って読んでいましたね。全部を理解出来ていたわけではないですが、“お金は管理していくものだ”ということを本で知識は得ていたので、だいぶ自分の肥やしになっていると思います。

ひがしん
お菓子が焼ける甘い香りに包まれた店内

10代の頃から!本当に「ご自分で商売をやりたい」という思いが伝わります。今後の夢についてもお聞かせください。

末弘さん

よく聞かれるのですが、「事業を拡げてどんどん店舗を出していこう」とか「誰かを雇ってスタッフを増やそう」という希望はあまりありません。今、創業してからとても楽しく続けられているので「今後も楽しく続けていくこと」が今のところの目標です。

創業を目指されている方へ

ひがしん

最後に、これから創業を目指される方にアドバイスやメッセージをお願いします。

末弘さん

ありきたりな言葉だと思いますが、始めることは簡単なので、“とにかくやってみること”が大切だと思います。動いてみないことには、“続けていく”気持ちも芽生えないですしね。

本当に、“まずは始めてみること”が大切なことだと思います。

ひがしん

“行動すること”と“続けること”が大切ですね!
本日はお忙しいところ、貴重なお話しをありがとうございました。

当金庫中田理事長からの応援メッセージ

2022年3月 中田理事長訪問

この度は取材へご協力いただきありがとうございました。 当金庫の創業塾をきっかけに起業され、順調にご事業を営まれており大変嬉しく思います。

今後も経営上のお悩み事がありましたら当金庫へお気軽にご連絡 ください。 職員一同、今後益々のご発展を心よりお祈りしております。

インタビューを終えて

お菓子が焼ける甘い香りにふんわりと包まれながら、末弘さんにインタビューさせていただきました。
店内には、けん玉や可愛い招き猫が飾られており、温かくそしてどこか懐かしさを感じる、隠れ家のような雰囲気です。インタビュー中にも、近所のご友人が覗いて声をかけてくださったりと、地域に根付いた経営をされているのが伝わってきました。

末弘さんが焼き菓子を作る上で大切にしていることは、平飼い卵、国産小麦粉、きび砂糖など、できるだけオーガニックや減農薬の旬な果物など、食べて気持ちのいい食材を使うことだそうです。
旬の果物を使った焼き菓子やこだわりの卵を使ったプリンなど、末弘さん手作りのお菓子は大変人気があります。墨田区にお越しの際は、スカイツリーの見える下町界隈をゆっくり散歩しながら、是非、torinosさんにお立ち寄りください!